漢方(東洋)医学と西洋医学の違いと融合

漢方とは

漢方薬と西洋薬の特徴と違い

漢方医学(漢方薬)の主な特徴
  • 自然な方法で、人間を総合的・包括的・個別的にみる伝統的医学。
  • 心とからだを一体として、体全体の調和を図る。
  • 未病、半健康、半病人の状態に対して、高い有効性がある。
  • 終末期まで進行した場合に有効。
  • 病名がどうであれ、「証」がわかれば治療できる。
  • 体質予防的で、個人衛生的なもの。
  • 個別的な医学
  • 天然物がベースとなった生薬を混合した「漢方薬」を使い、1剤に複数の成分が含まれているため、複数の症状にも効果が期待できる。
西洋医学(西洋薬)の主な特徴
  • 実証的かつ科学的な方法で、客観的に分析されたもの。
  • 器官・臓器中心に物質面を重視して、病気に対してピンポイントに治療する。
  • 未病の状態に対しての有効性は低い。
  • 手術可能な病気や細菌感染に対しては、有効。
  • 診断名によって治療法が決まる。
  • 公衆衛生的な予防。
  • 普遍的な医学。
  • 精製されたほぼ純粋な薬物を用いた「西洋薬」を使い、ひとつの病気に対して、同系統の位置や薬の投与がなされる。

漢方が得意とする分野

漢方治療は、鍼灸、マッサージ、気功、養生などがあり、中でも漢方薬治療が代表的なものです。

漢方では、「証(しょう:体格、病態、症状などを総合的に診断し、評価したもの)」に基づいて、数種類の生薬を組み合わせた処方を選びます。この複合された薬効成分によって、一つの症状だけでなく、心とからだを全体的に改善させる効果があります。

また、はっきりしない不調や違和感、精神的ストレスからくる症状、生活習慣からおこってくる症状や病気、アレルギーによる症状に対しても、数種類の生薬による相互効果によって改善していくことができます。

逆に、手術が必要な場合、虫垂炎のような急な腹痛、インフルエンザに代表される急性感染症、大出血などの救急処置が必要な場合は、漢方薬では十分に効果を発揮することができません。

即効性のある西洋薬や西洋医学による処置を受ける方が、速やかで確実な効果を得ることができます。

西洋薬と漢方薬を一緒に服用

2020年現在、148処方の漢方薬が健康保険で使えるようになっています。

日本では、健康保険が使えることになったことで、より漢方薬が身近になったこと、「気・血・水(き・けつ・すい)」や腹診などの、独自に発達した理論や技術が蓄積されていること、そして、西洋薬と漢方薬を一緒に処方でき、幅広い治療が可能になりました。

西洋医学と漢方医学、両方の視点から患者を診て、その人にあった薬を処方するという医療システムは、世界的にみても非常にまれなことです。

日本では医学教育が一元化されており、ひとりの医師が基盤となる西洋医学や現代医学、そして漢方医学もまとめて学ぶという制度になっているため、ひとつの医師免許で西洋薬も漢方薬も処方することが可能です。

対して中国では西洋医学と中医学(日本における漢方医学)は区別され、別々の医師免許制度になっています。そのため、西洋医学と中医学の免許を両方持っていない限り、西洋薬と漢方薬の両方を処方してもらうことは、基本的にできない仕組みになっているのです。 ひとりの医師が西洋薬と漢方薬を処方できる日本では、それぞれの長所を取り入れた、ハイブリッド型の医療を実践することが可能なのです。このように柔軟な体制は世界的に見ても類がなく、日本の医療体制の大きな特長といえます。

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