動悸に効果のある漢方薬9選

「症状・病気別」漢方の効果・効能

気や水を是正して緊張や不安を取り除く

どんな症状?

心臓のドキドキという鼓動を、必要以上に強く(速く)感じる状態が動悸です。

動悸がおきることにより精神の不安を感じたりするほか、胸の不快感、めまい、耳鳴りなどをともなうこともあります。

また、動悸にともない息切れをおこすこともあります。これに加えて、階段の昇り降りや運動をしている際に、冷や汗が出たり、手足に力が入らなくなったり、失神をおこすこともあります。

現代医学での診断・治療

動悸をおこす原因となる病気には、狭心症、心臓弁膜症、不整脈、栄養障害があるほか、精神不安、極度の緊張などが要因となっています。また、不安神経症やパニック障害、心臓神経症も動悸の原因となります。

漢方での診断・治療

漢方医学においては、特に原因となる病気がないように見える場合には、体内の「気」や「水」に異常があるため、動悸や息切れなどの症状がおきていると考えられています。

このため漢方薬は、これらの「気」や「水」を是正して、動悸の原因となっているストレスや緊張、不安などを取り除くために用いられます。

よく使われる漢方処方

黄連解毒湯/おうれんげどくとう

自覚症状

比較的体力があり、不安、イライラ、のぼせのような症状がある人の動悸・息切れなどの症状がある人。

証のタイプ

実証

使用上の注意など

特になし

柴胡加竜骨牡蛎湯/さいこかりゅうこつぼれいとう

自覚症状

精勤不安やストレスを感じる、驚きやすい、めまい、のぼせ、胃腸虚弱がある人の動機、心臓神経症、胸痛などの症状がある人。

証のタイプ

実証

使用上の注意など

間質性肺炎、肝機能障害、黄疸の副作用。

半夏厚朴湯/はんげこうぼくとう

自覚症状

精神不安、心臓神経症、または気分がふさぎがち、咽喉部の閉塞感などの症状がある人。

証のタイプ

虚実間証

使用上の注意など

特になし

加味逍遙散/かみしょうようさん

自覚症状

緊張しやすい、疲れやすい、不眠、不安などがある人の動機、息切れなどの症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

特になし

桂枝加竜骨牡蛎湯/けいしかりゅうこつぼれいとう

自覚症状

神経症、疲れやすい、精神不安、不眠などをともない、へその周囲に動悸がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

特になし

柴胡桂枝乾姜湯/さいこけいしかんきょうとう

自覚症状

やせ型、からだが虚弱であり、胸部の不快感、息切れ、不眠、抑うつなどの症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

特になし

炙甘草湯/しゃかんぞうとう

自覚症状

体力の低下、顔色が悪い、むくみ、口の渇き、ほてりがあり疲れやすい、貧血、心臓神経症、心臓弁膜症がある人の動悸、息切れの症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

低カリウム血症などによる偽アルドステロン症の副作用。

小建中湯/しょうけんちゅうとう

自覚症状

虚弱な子どもに用いられるほか、動悸、頻尿(頻繁に用を足す)、神経過敏などの症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。

苓桂朮甘湯/りょうけいじゅつかんとう

自覚症状

虚弱な人で、心臓が衰弱している場合の動悸、めまい、息切れ、貧血などの症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。

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