頻度の高い慢性頭痛に用いられる処方が多い
どんな症状?
頭部におこる痛みを頭痛といいます。その原因には、睡眠不足、目の疲れ、かぜ、高血圧、低血圧、月経障害のほか、目・耳・鼻・歯の病気、くも膜下出血や脳腫瘍、てんかんなどがあります。
頭痛の激しさの程度は必ずしも原因となる病気の軽重と比例しないので、注意が必要です。普段の頭痛と様子が違うときは、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。
もしも、突然激しい頭痛に襲われたり、嘔吐をともなう頭痛がある場合には、一刻も早く脳神経外科のある病院を受診しましょう。
頭痛のなかでは、慢性頭痛(長期にわたって続く頭痛)の頻度が高く、ほかに頭皮の筋肉が収縮、緊張しておこる緊張型頭痛や、頭の片側がずきずきと拍動するように傷む偏頭痛、季節の変わり目などに目の奥が痛んだあと前頭部から側頭部にかけての痛みが発作的に持続する群発頭痛などがあります。
現代医学での診断・治療
痛み出した時期、おこり方(徐々に・突然に)、経過と部位、性質、随伴症状、既往歴などについての問診や、原因となる病体を調べる検査が行われます。 慢性頭痛の場合は、鎮痛剤、抗不安薬などを用いて治療します。
漢方での診断・治療
漢方では、気の上昇、血が滞る瘀血、水滞、冷えなどが頭痛の要因と考えられています。漢方薬は、片頭痛や緊張型頭痛のような慢性頭痛のほか、慢性副鼻腔炎や高血圧、更年期障害、心因性の頭痛にも用いられます。
よく使われる漢方処方
五苓散/ごれいさん
口の渇き、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、めまい、むくみなどがあり、 尿の量が少ない人の片頭痛 緊張型頭痛などの症状がある人。
虚実不問
特になし
川弯茶調散/せんきゅうちゃちょうさん
かぜ初期におこる頭痛、悪寒、関節痛などの症状がある人。
虚実不問
低カリウム血症などによる偽アルドステロン症の副作用。
黄連解毒湯/おうれんげどくとう
のぼせぎみで赤ら顔、不眠、動悸、めまい、口の渇き、胃のつかえ感、吐き気などの症状がある人。
実証
特になし
葛根湯/かっこんとう
悪寒、肩やくびのこりなどの症状がある人で、緊張型頭痛、混合性頭痛の症状がある人。
実証
胃腸・体力が弱っている人、食欲不振、高血圧、狭心症などの心臓病、高度の腎臓病の人、交感神経刺激剤を併用する人には慎重に用いる。
葛根加朮附湯/かっこんかじゅつぶとう
くび・肩こり、緊張型頭痛などの症状がある人。
実証
麻黄または甘草含有製剤などの併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。
桂枝茯苓丸/けいしぶくりょうがん
のぼせ、肩こり、下腹部痛、瘀血などの症状がある人。
虚実間証
特になし
五積散/ごしゃくさん
冷え症、疲れやすい、慢性疾患などの症状がある人。
虚実間証
麻黄または甘草含有製剤などとの併用注意。
釣藤散ちょうとうさん
肩こり、めまい、のぼせなどのある中年以降の片頭痛、緊張型頭痛の症状がある人。
虚実間証
低カリウム血症などによる偽アルドステロン症の副作用。
加味逍遙散/かみしょうようさん
虚弱、更年期の女性、頭痛、頭重、のぼせ、肩こり、倦怠感、便秘などの症状がある人。
虚証
特になし
桂枝人参湯/けいしにんじんとう
胃腸の機能の低下した人の片頭痛、緊張型頭痛などの症状がある人。
虚証
低カリウム血症などによる偽アルドステロン症の副作用。
呉茱萸湯/ごしゅゆとう
手足の冷え、肩こり、嘔吐などをともなう片頭痛、緊張型頭痛の症状がある人。
虚証
特になし
半夏白朮天麻湯/はんげびゃくじゅつてんまとう
胃腸が弱く、手足の冷え、めまいなどがある人の片頭痛、緊張型頭痛などの症状がある人。
虚証
特になし
苓桂朮甘湯/りょうけいじゅつかんとう
めまい、立ちくらみのある人。
虚証
甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。


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