排尿の異常に効果のある漢方薬8選

「症状・病気別」漢方の効果・効能

器質的異常がない場合のさまざまな症状に

どんな症状?

成人の排尿回数は、一般的に昼間5~6回、夜間1回くらいですが、排尿回数が増加して尿意をたびたび催す状態を頻尿、排尿回数や一回あたりの量が増加した状態を多尿といいます。

そして、頻尿がおきる原因としては、尿道炎・膀胱炎などの尿路感染症、膀胱の結石や腫瘍、精神的緊張による自律神経の働きの亢進などがあげられます。

夜間の排尿回数が増えるおもな原因は前立腺肥大症ですが、心臓が血液を送り出す力が低下する心不全もその要因となります。

膀胱の収縮力が低下したり、尿道の抵抗が増加したために尿が出るまで時間がかかる、または尿の勢いが弱くなってしまい、尿線が細くなるのが排尿困難です。いっぽう、膀胱にたまった尿が出なくなった状態は、尿閉といいます。

排尿困難や尿閉は、前立腺肥大症や前立腺・膀胱・尿道の炎症・結石・腫瘍などの泌尿器の病気が原因となるほか、排尿の機能をつかさどる神経に障害が生じて、排尿困難をきたす神経因性膀胱もあります。

現代医学での診断・治療

問診や下腹部の視診・触診のほか、直腸内指診などの前立腺の検査、血液や尿の検査、尿道や膀胱検査などが行われ、原因となった病気を治療します。

しかし、からだに器質的な異常がみつからず、心理・社会的な問題が強く認められる場合には、治療のために抗不安薬の使用や精神療法などが行われることもあります。

漢方での診断・治療

漢方療法において排尿障害の多くは、加齢にともなう腎虚によるものと考えられています。

そして器質的な異常のない尿路系の機能的な異常に対して漢方薬が処方されます。

よく使われる漢方処方

猪苓湯/ちょれいとう

自覚症状

口の渇き、下半身がむくむ、尿の量が少ない人の排尿困難や排尿痛、残尿感の症状がある人。

証のタイプ

虚実不問

使用上の注意など

特になし

竜胆瀉肝湯/りゅうたんしゃかんとう

自覚症状

女性ではおりものがあり、下腹部の膨満感、排尿痛や残尿感がある人の頻尿の症状がある人。

証のタイプ

実証

使用上の注意など

甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。

五淋散/ごりんさん

自覚症状

やや慢性化した排尿痛、残尿感、尿の濁り、血尿などがある頻尿の症状がある人。

証のタイプ

虚実間証

使用上の注意など

低カリウム血症などによる偽アルドステロン症の副作用。

猪苓湯合四物湯/ちょれいとうごうしもつとう

自覚症状

口の渇き、皮膚の色つやが悪くかさかさしていて、胃腸障害がない人の排尿困難や残尿感の症状がある人。

証のタイプ

虚実間証

使用上の注意など

特になし

牛車腎気丸/ごしゃじんきがん

自覚症状

下半身の脱力感、冷え、しびれ、口の渇きを訴える頻尿(とくに夜間頻尿)などの症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

特になし

清心蓮子飲/せいしんれんしいん

自覚症状

冷え、全身倦怠感、口・舌の渇き、排尿痛、残尿感、不安やイライラがある人の頻尿の症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。

苓姜朮甘湯/りょうきょうじゅっかんとう

自覚症状

下半身の冷え、疲労感、立ちくらみ、めまいのある頻尿の症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。

六味丸(六味地黄丸)/ろくみがん(ろくみじおうがん)

自覚症状

下半身の脱力感・しびれ、疲れやすい、耳鳴り、口の渇き、ほてりなどの症状がある人の排尿困難や頻尿、残尿感、排尿時の違和感の症状がある人。

証のタイプ

虚証

使用上の注意など

特になし

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