症状によって処方を使い分ける
どんな症状?
肩、くび、背中などがかたくなったりこわばったりし痛みを覚える状態が肩こり長時間のデスクワークやストレスなどにより、くびやの筋肉が緊張し、披露するのがおもな原因です。
肩や周囲の神経・骨の異常である変形性頚部脊椎症、目・耳・鼻・歯の病気、高血圧、低血圧、動脈硬化、心臓病、肺結核、胸膜炎、腎臓病、更年期障害が原因のこともあります。 五十歳前後になって、肩の関節が痛み、腕が上がらないなどの症状がおこる五十肩(肩関節周囲炎)は、加齢にともなう関節周囲の炎症が原因です。
現代医学での診断・治療
筋肉の緊張が原因でおこる肩こりの多くは、肩の運動や休息をとることなどによって治ります。
整形外科のX線検査により、肩、腕に異常が発見された場合は、牽引療法、筋弛緩剤の使用、神経ブロック療法などが行われますが、手術が必要なこともあります。
漢方での診断・治療
肩こりの部位や程度、腹部の緊張度、随伴症状などによって処方が異なります。
くびの後ろから肩や背中にこりがあるときには、葛根湯などがよく使われます。みぞおちから肋骨弓にかけて張りがある場合(胸脇苦満)には柴胡剤が用いられます。へその左下に抵抗と圧痛がある(小腹急結)かどうか、五十肩の場合は、急性期か慢性期かなど、症状の組み合わせにより、処方が異なります。
一般に肩こりが慢性化している場合は、温めるのが基本であり、温湿布や入浴、肩や上半身の上下運動、回転運動、マッサージ、鍼灸などが効果的です。
よく使われる漢方処方
葛根湯/かっこんとう
上半身の神経痛、くびの後ろから肩、背中にかけてこる、脈に力があり、胃腸がじょうぶで下痢をしない、汗があまり出ない症状がある人。狭心症などの心臓病や高血圧の人は医師に報告・相談してください。
実証
胃腸や体力が弱っている人、発汗過多、食欲不振、高血圧、狭心症などの心臓病・高度の腎臓病の人、交感神経刺激剤を併用する人には慎重に用いること。低カリウム血症などによる偽アルドステロン症の副作用。
大柴胡湯/だいさいことう
便秘、みぞおちから左右の肋骨弓にかけて張りがあり、口が苦い、くびの両側から肩にかけて凝る人。
実証
下痢、軟便、胃腸が弱い人には慎重に用いる。
桂枝茯苓丸/けいしぶくりょうがん
へその左下に抵抗と圧痛がある(小腹急結)人の肩こり、女性では月経痛がある人の肩こりの症状がある人。
虚実間証
特になし
五積散/ごしゃくさん
胃腸が弱く、疲れやすい人で、上半身はほてりが強く、腰や下半身は冷えるといった症状がある五十肩の人。
虚実間証
麻黄または甘草含有製剤などとの併用注意。
芍薬甘草湯/しゃくやくかんぞうとう
けいれん、筋肉痛、関節痛などのある人。
虚実間証
甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。
二朮湯/にじゅつとう
胃腸虚弱、水ぶとり、筋肉にしまりのない人。
虚実間証
甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。
桂枝加葛根湯/けいしかかっこんとう
くびの後ろから肩、背中にかけてこる、汗が出ない人。狭心症などの心臓病や高血圧の人は医師に報告・相談してください。
虚証
甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。
桂枝加朮附湯/けいしかじゅつぶとう
虚弱、冷え症の人の神経痛、関節痛の症状がある人。
虚証
甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。
桂枝加苓朮附湯/けいしかりょうじゅつぶとう
虚弱、少尿、むくみなどの、関節痛、神経痛の人。
虚証
甘草、グリチルリチン酸およびその塩類を含む製剤との併用注意。偽アルドステロン症、ミオパチーの副作用。
当帰芍薬散/とうきしゃくやくさん
顔色が青白く、疲れやすい、冷え症の人、女性の場合は、月経不順、頭重、めまいなどがある人の肩こりの症状がある人。
虚証
胃腸が弱い、悪心、嘔吐などがある場合には慎重に用いる。


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